Manabu with Wasabi

ワサビとマナブ 

光合成ってなんなん? part.6 ATP

エネルギーは生物が生きる上で欠かせないものです。

 

そのエネルギーがどのようにして吸収されているのか、

 

またどのようにして放出されるのかを今回解説していきたいと思います。

 

 

 

 

 

早速なのですが

 

エネルギーは生体内において

 

ATPという物質を介して使われています。

 

ATPはエネルギーを貯める電池のようなものです。

 

ATPは正式名であるアデノシン三リン酸

 

(adenosine triphosphate)

 

の頭文字をとった通称みたいなものです。

 

構造は塩基のアデニンと五炭糖のリボースが結合したアデノシンという化合物に

 

リン酸が3つつながった形をとります。

 

 

エネルギーが大きく関係しているのはリン酸が結合している部分です。

 

プラス帯びたリン酸原子同士の間と

 

マイナスを帯びた酸素原子同士の間で

 

それぞれ静電気的反発が発生するこの結合は非常に不安定な状態です。

 

3つのうち一番末端にあるリン酸がはずれリン酸結合が解けると

 

中に貯まっていた反発力が

 

エネルギーとして放出される仕組みです。

 

このときATPは1つリン酸を失ったADPになります。

 

特にこのリン酸結合を高エネルギーリン酸結合と言います。

 

例えるなら同じ磁極同士を無理やり紐で結んでまとめた磁石を想像すると良いでしょう。

 

 

 

 

 

さてATPとエネルギーの関係性がわかりました。

 

先ほど“ATPは電池のようにエネルギーを貯めることができる“

 

と言いましたがどのようにATPは生産されるのでしょうか。

 

また使用された後のADPはどうなるのでしょうか。

 

電気と同じようにエネルギーにも発電所があります!

 

しかも画期的な水力発電所です。

 

名前はATP合成酵素言います。

 

意味はそのまんまATPを合成するための酵素です。

 

構造は回転子と固定子があって、タービンみたいになっています。

 

ATPは世界最小のモーターです!

 

まーそりゃそうだ。細胞レベルなんだからw

 

呼吸については次回解説していくので、

 

今回は葉緑体のチラコイドでATPが合成される流れを説明します。

 

今までの投稿を見てもらうとより理解しやすくなるのですが、↓

 

光合成が行われる過程で、

 

チラコイド内に水素イオン(プロトン)が溜まって

 

チラコイドの外と中でイオンの密度に差が生まれてしまいます。

 

これをプロトン濃度勾配と言いましたよね。

 

濃度を均等にするために水素は高濃度のチラコイド内から

 

低濃度のストロマ(外側)に移動します。(化学浸透

 

この流れを利用してATPはF0部位を回転させます。

 

その回転に連動してF1部位が回転し、

 

F1部位にてストロマ内のADPと

 

クレアチンリン酸を分解して供給されたリン酸から

 

ATPが生産されるのです。

 

 

水素イオンが3つ通過するとモーターが1回転してATPが1分子できます。

 

水素イオンはストロマに放出された後、酸素と結びつき水になります。

 

余談ですがATP合成酵素は1分間で6000〜10000回転しているらしい。

 

次回もお楽しみに!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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